

【選手権】 準々決勝
尚志高校 vs 帝京長岡高校
尚志が接戦を制し、7年ぶりの聖地へ

ハイレベルな技術と戦術の応酬
北信越・東北エリアの実力校同士の対戦となった本カードは、立ち上がりから緊迫した展開となった。帝京長岡は持ち味である細かなパスワークを軸にピッチを広く使い、攻撃の糸口を模索。一方の尚志は、連動した組織的なブロックを形成し、帝京長岡のペナルティエリアへの侵入を制限。互いに決定的な場面を作りながらも、両校無得点のまま前半40分を終了した。
後半21分、連携から生まれた先制ゴール
後半、均衡が破れたのは21分。左サイドのハーフライン付近で、尚志/MF田上真大が激しい寄せからボールを奪取。田上は倒れ込みながらも執念でFW根木翔大へとパスを繋ぎ、カウンターを開始する。根木が素早く展開すると、右サイドでフリーになっていたFW臼井蒼悟へ。臼井はゴールキーパーの動きを冷静に見極め、右足でシュート。放たれたボールはゴールネットを揺らし、尚志が待望の先制点を挙げた。

帝京長岡の猛攻を撥ね返した堅実な試合運び
リードを許した帝京長岡は、交代枠を使い切り、ロングボールを交えた怒涛の反撃を仕掛ける。しかし、尚志は先制全員が守備意識を高く保ち、シュートブロックを連発。試合終了までこの1点を守り抜き、タイムアップを迎えた。
「3度目の正直」か「3連勝」か
今回の選手権準々決勝は、以下の3つの主要な対決を経た「宿命の再戦」となった。
1:2022年12月(プレミア参入戦)
尚志 2-1 帝京長岡
2:2025年8月(インターハイ準々決勝)
尚志 0-0 (PK 6-5) 帝京長岡
3:2026年1月(選手権準々決勝)
尚志 1-0 帝京長岡
結果として尚志が「勝負所での3連勝」を飾る形となったが、いずれも1点差やPK戦という極めて僅差の戦いであり、両校が常に日本の高校サッカー界の最前線で競い合っていることを象徴するデータと言えよう。
受け継がれる「勝負強さ」の系譜:2022年プレミア参入戦の再来
今回の選手権で決勝弾を挙げた臼井蒼悟の活躍は、3年前のプレミア参入戦で逆転ゴールを決めた吉満迅(東洋大学3年)や、同点弾を挙げた鈴木虎太郎(産業能率大学3年)らの姿を彷彿とさせる。当時、先制されながらも慌てずに試合をひっくり返した尚志の「不屈の精神」は、令和7年度の現チームにも脈々と受け継がれている。


同点弾をあげた鈴木虎太郎(産業能率大学/3年)
逆転ゴールを決めた吉満迅(東洋大学/3年)

「高円宮杯JFAU18プレミアリーグ2023プレミアリーグ EAST」への参入を果たした尚志高校
神戸から福島・新潟へ。FCフレスカ神戸の「盟友」が国立を懸けて激突

兵庫の地で共に育った「フレスカ」の誇り
2人のルーツは、兵庫県神戸市を拠点とする名門クラブ、FCフレスカ神戸にある。中学時代、同じユニフォームを着て全国を目指し、共に厳しい練習に励んだ「盟友」だ。卒業後、根木は「技術と勝負強さ」を求めて福島の尚志へ。西馬は「卓越したパスサッカー」に惹かれて新潟の帝京長岡へ。それぞれ異なる道を歩み、3年間研鑽を積んだ結果、高校サッカー最高峰の舞台である選手権準々決勝という大一番で、運命の再会を果たした。
「主将」と「アタッカー」として。譲れない80分
試合中、サイドを主戦場とする根木と、守備の要でありキャプテンとしてチームを鼓舞する西馬は、幾度となく対峙した。互いの特長を知り尽くしているからこそ、一歩も引けない緊迫した駆け引きが続く。後半21分、試合を動かした先制ゴールの起点となったのは根木だった。田上から託されたボールを冷静に運び、右サイドの臼井へと繋げたプレーは、かつてのチームメイトである西馬が守る帝京長岡の堅陣を、一瞬の隙で攻略した瞬間でもあった。
中学時代に同じ夢を追いかけた少年たちが、福島と新潟の代表として、日本のトップレベルで再会したこの一戦。FCフレスカ神戸という共通のルーツを持つ2人の戦いは、結果を超えた感動を会場に与えた。
Photo & Text:FOOTBALL PHOTO PRESS / Mie Ayuzawa
【選手権】3回戦
神戸弘陵学園高校 vs 尚志高校
劇的な結末!尚志が後半ATで神戸弘陵学園を下し8強進出


試合は序盤から、高い技術を誇る神戸弘陵学園と、組織的な守備と鋭いカウンターを持つ尚志が真っ向からぶつかり合う展開となった。神戸弘陵学園は中盤でのパースワークから好機を伺い、対する尚志は球際の激しさを見せ、自由を許さず。
前半、お互い決定機を作りかけるも、両守備陣の集中力が勝り得点は動かず。0-0のまま折り返した後半も、一進一退の攻防が続く。時間が経過するにつれ、PK戦の足音が近づく緊迫したムードがスタジアムを包んだ。
試合が動いたのは後半アディショナルタイム4分。このままタイムアップかと思われた瞬間、尚志がコーナーキックを獲得。このセットプレーからゴール前の混戦を尚志高/FW臼井蒼悟が押し込みついにゴールネットを揺らした。
試合はそのまま1-0で終了し、前回王者を破るなど旋風を巻き起こした神戸弘陵学園はここで涙を飲む結果となった。

アディショナルタイム、DF木村の右CKからの二次攻撃、ファーサイドのFW根木の折り返しにMF迫田が反応し最後はFW臼井がダイビングヘッド。流れるような連携でゴールラインを割った。

後半73分途中出場した尚志高/MF迫田悠聖はアシストをマークした。
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【選手権】2回戦
尚志高校 vs 山梨学院高校
尚志、前半の主導権が勝敗を分ける。10番・田上の2得点で山梨学院を退ける


尚志高校が、山梨学院との一戦を2-1で制した。主導権を握る時間帯と耐える時間帯を明確に使い分け、80分を通して試合巧者ぶりを発揮した。
尚志は序盤から球際で優位に立ち、相手陣内でのプレー時間を確保する。前半23分、その積極姿勢が先制点につながった。左サイドのロングスローがゴール前で混戦を生むと、尚志高/MF田上真大がいち早く反応。右足で押し込み均衡を破った。
勢いは止まらない。37分今度は右サイドからの崩しが実を結ぶ。尚志高/FW臼井蒼悟のスピードを生かした突破から折り返されたボールを、田上が落ち着いてゴールへ流し込み、尚志が2点目を奪った。前半のうちに突き放したことで、試合の主導権は大きく傾いた。
後半に入ると山梨学院が前へ出る展開となり、75分に1点を返される。しかし尚志はラインを下げすぎることなく、全体で距離感を保ちながら対応。終盤の圧力にも冷静さを失わず、1点差を守り切った。
今大会、尚志は一戦ごとに勝負強さを示している。その中心にいるのが、攻撃の起点として結果を残し続ける10番だ。前半で流れをつかみ、最後まで崩れなかった80分。全国の舞台で積み上げたこの勝利は、チームに確かな自信をもたらすものとなった。


途中交代の尚志高/FW岡 大輝とMF/大熊瑠空。交代策によっても試合の主導権を失わない選手層の厚みが際立った。

75分、失点直後、尚志高キャプテン/DF西村圭人は仲間を集め冷静に再確認を行った
Photo&Text : FOOTBALL PHOTO PRESS/Mie Ayuzawa
【選手権】2回戦
前橋育英高校 vs 神戸弘陵学園高校
王者の壁を打ち破る2発、神戸弘陵学園、前橋育英を下し3回戦進出

先制点を挙げた、神戸弘陵学園/FW池 壱樹

第104回全国高校サッカー選手権大会2回戦で兵庫代表の神戸弘陵学園高校が、前回大会王者の前橋育英高校を2-1で破り、3回戦進出を決めた。
試合は立ち上がりから前橋育英がボールを保持し、主導権を握る展開となったが、神戸弘陵学園はコンパクトな守備と素早い切り替えで応戦する。前半中盤、セットプレーから生まれた流れを逃さず、先制点を奪取。さらに前半終盤、鋭い仕掛けから追加点を挙げ、2点のリードで試合を折り返した。
後半に入ると、前橋育英が前線の圧力を強め、ゴール前での攻撃回数を増やす。終盤には1点を返し、王者の底力を見せたが、神戸弘陵学園は最後まで集中力を切らさず対応。体を張った守備でリードを守り切り、強敵相手に価値ある白星をつかみ取った。
大会屈指の実績を誇る前橋育英を相手に、80分を通して組織力と勝負強さを示した神戸弘陵学園。勢いそのままに、次戦では初のベスト16入りを懸けた戦いにい臨む。




涙の先頭に立つ前橋育英/MF白井誠也、最後まで前橋育英の矜持(きょうじ)を示した。
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【選手権】1回戦
尚志高校 vs 高松商業高校
尚志が圧倒的な攻撃力で初戦突破、高松商は伝統の粘り見せるも及ばず
冬の国立への第一歩となる1回戦、浦和駒場スタジアムでの第2試合は、東北の強豪・尚志がその実力をいかんなく発揮する展開となった。
尚志、隙のない猛攻でゴールを量産
試合開始直後から主導権を握ったのは尚志だった。洗練されたパスワークと素早い切り替えで高松商を圧倒すると、前半のうちに次々とネットを揺らし、着実にリードを広げていく。後半に入っても攻撃の手を緩めることなく、交代選手も機能。終わってみれば計6ゴールを奪う猛攻で、2回戦進出を鮮やかに決めた。
高松商、最後まで途切れなかった闘志
一方、厳しい展開を強いられた高松商だったが、最後まで戦う姿勢を崩すことはなかった。大差がついた状況でも、選手たちは声を掛け合い、伝統校としての意地を見せてボールを追い続けた。守備陣も体を張ったブロックを繰り返し、攻撃では数少ないチャンスから尚志ゴールへ迫るなど、スコア以上の熱い闘志をピッチに残した。
実力を見せつけた尚志と、戦い抜いた高松商
6-0というスコアで尚志が地力の差を見せつける形となったが、両校がそれぞれのスタイルを出し切ろうとした80分間。尚志は次戦に向けて盤石のスタートを切り、高松商は四国の代表としての誇りを胸に、堂々と大会を去ることとなった。


試合開始3分、センターサークル付近で前を向いた尚志高/DF松澤琉真。相手GKのポジショニングを瞬時に見極め、迷わず右足を振り抜きい見事なロングシュートで先制点を奪った。


衝撃の開始10分。DF松澤の40m弾に続き、尚志高エース/FW根木翔太が電撃の2ゴール。

尚志高/FW岡大輝は交代からわずか数分でベンチの期待に応える追加点。

前線で攻勢を強め続けた尚志高/FW臼井蒼悟が、自らゴールを奪い尚志のゴールラッシュをさらに加速させた。

わずか3分間で3ゴールを奪う怒濤の攻撃。73分、74分の追加点に続き、75分には尚志高/FW田上真大が鮮やかにネットを揺らし、尚志の圧倒的なリードをさらに広げる一撃となった。
Photo&Text : FOOTBALL PHOTO PRESS / Mie Ayuzawa
【選手権】1回戦
山梨学院高校 vs 京都橘高校
山梨学院対京都橘、1点を巡る死闘はPK戦へ。サドンデスの末に決着
第104回全国高校サッカー選手権大会1回戦、山梨代表・山梨学院と京都代表・京都橘の激突は、冬の寒さを吹き飛ばすような熱戦となった。
譲らぬ攻防、後半のPKチャンスもスコア動かず
試合は序盤から両校の意地がぶつかり合い、一進一退の展開が続く。後半、京都橘がPKを獲得し先制の絶好機を迎えるも、枠を捉えきれず無得点。山梨学院も粘り強い守備から反撃を試みるが、京都橘の堅い守りに阻まれ、0-0のまま勝負は運命のPK戦へと委ねられた。
11人の集中力、決着は6人目のサドンデスへ
PK戦では両チームのキッカーが高い集中力を見せ、5人目まで全員が成功。スタジアムが息を呑む緊張感の中、迎えた6人目。山梨学院の守護神が京都橘のシュートを見事にストップし、激闘に終止符を打った。
互いを称え合う幕切れ
試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチには勝者と敗者が交錯したが、そこにあったのは互いの全力を出し切った選手たちの清々しい姿だった。勝利した山梨学院は2回戦進出を決め、惜敗した京都橘も伝統校としての誇りを示す戦いぶりで観客を魅了した。


後半20分から投入された京都橘高・神戸内定/FW伊藤湊太(3年)。PKを獲得するも決めきれず試合はPK戦へともつれ込んだ樹。
後半、PKを与える苦しい場面。山梨学院高/GK石井那樹が相手シュートを止め、最大のピンチを凌いだ。


PK戦、5人目キッカー京都橘高/FW秋保宏樹はPK成功させ、GK平誠都キャプテンとハイタッチ。
PK戦、6人目キッカー山梨学院高/DF冨井悠真はPKを成功させバックスタンドの応援団へガッツポーズ。


山梨学院の守護神/石井那樹がサドンデスとなった6人目のシュートを完璧にストップ。絶体絶命のピンチを救い、チームを劇的な勝利と2回戦進出へ導くヒーローとなった。
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第104回全国高校サッカー選手権大会が開幕
冬の大舞台で高校生たちの真剣勝負が始まる

高校サッカー日本一を決める、全国高校サッカー選手権大会の第104回大会が、2025年12月28日(日)から2026年1月12日(月・祝)まで開催される。全国各地の厳しい予選を勝ち抜いた代表校が集い、真冬のピッチで90分間の真剣勝負に挑む。
今大会には各都道府県を代表する48校が出場。長い準備期間を経て積み重ねてきた成果を全国の舞台で示す機会となる。選手たちは一戦一戦にすべてを懸け、勝敗のみならず、仲間とともに築いてきた時間そのものを表現する。
大会はノックアウト方式で行われ、敗れれば即終了という緊張感の中で試合が進む。技術や戦術に加え、精神力やチームワークが問われる点も、この大会が長年にわたり注目を集めてきた理由の一つだ。
ピッチに立つのは、将来のプロ選手だけではない。高校生活最後の公式戦として臨む選手にとって選手権は特別な意味を持つ舞台でもある。
勝利の歓喜、敗戦の涙、すべてが高校サッカーの象徴的な風景として刻まれていく。
第104回大会もまた、多くのドラマを生みながら、冬の日本を熱くする戦いとなりそうだ。
Photo&Text:FOOTBALL PHOTO PRESS / Mie Ayuzawa
第104回高校サッカー選手権大会 福島県大会 決勝 尚志高vs学法石川高

先制した尚志高校2年MF若林衣武希





4点目をアシストしたMF村田柊真はリザーブメンバーと喜びを分かち合った

尚志高校のキャプテンDF西村圭人は全国大会への意気込みを語った
Photo & Text:FOOTBALL PHOTO PRESS / Mie Ayuzawa
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